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〈とうたす〉はTortoise、淡水に棲む亀をさす英語で、
約50年前に開かれた大阪陶芸教室の主宰者であり
私の陶芸の師である水野清亀(すがき)先生のお名前に由来しています。
この師のもとで陶芸に出会って以来40年、教室を主宰して18年、
歳をかさねるにつれて、自分自身と向き合って制作する時間も
ときには伴走者のように生徒の制作に立ち会う時間も、
そのどちらもが何ものにも代え難いと感じるようになりました。
人が土と火を用いてやきものを作る行為は、縄文の時代から連綿と続いていますが
この原初の時代の土器にも、 日常の用のために作られたであろう器とともに
「用」を遥かに超える装飾や文様が施されたものも、たくさん残されていて
「土」は、思いがけない彼方へも人を誘うものであると感じられます。
そういう力を秘めた「土」と、人の「手」と「こころ」が織りなすかたちを
ゆっくりと見届けていきたいと、そのように考えています。
2010年10月
とうたす陶房 主宰
田村 慶子